共感をつくる「伝え方」とは?せやろがいおじさんがYouTubeでバズるまでの道のり

時代は動画、なのだろうか。

5年前にはブログに文字を打ち込むことで精一杯だったのに、いつしかInstagramのための画像加工スキルが求められ、気付けばスマホには生配信やら音声アプリ、通知を埋めつくすTikTok…世界は「動き始めた」らしい。

#動画撮れ というタグまで生まれてしまった今日、YouTubeでバズを生み出すノウハウを知りたい人は多いのではないだろうか。

ならば!と、沖縄で活躍するお笑い芸人、通称「せやろがいおじさん」のトークライブで、Twitterシェア100万越え、YouTube再生回数20万、30万越えに至るまでの詳細を伺った。

「バズを生み出す黄金ルール」を見つけるまで

奈良県出身のせやろがいおじさん。

お笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ担当、名前は榎森 耕助(えもり こうすけ)。通称「えもやん」として、相方の金城 晋也とともに沖縄のお笑いシーンを牽引してきた。

一枚でなんとなくわかる!まとめはこちら

せやろがいおじさんライブまとめ
劇的にいい人だったおじさん

世間、マジで俺らに興味ねぇな!!!

「お笑いを続けるため、収入源を増やしたい」との思いから始めたYouTubeでの動画配信。数々の困難を乗り越え配信を続けた結果、分かったことは世間からの注目度の低さ。

テレビをつければ、人気のお笑い番組が観れる。YouTubeでわざわざ知らないお笑い芸人を検索するだろうか?答えがNOであることは、動画の視聴回数が表していた。

同じ土俵で戦っても勝てない、ならば別の道を探そう。

webでの戦略上、求めるべきは「共感」であるとの仮説を立て、目を引く赤ふんどし姿、巨大なテロップ、沖縄の青い海を背景に、オピニオンを叫ぶ「せやろがいおじさん」としての発信を開始する。

最初のバズは「違法アップロードされたエロ動画」に対して物申した画像。12万人ものフォロワーがいる佐倉絆さんにRTされたことから、再生回数が一気に増え、

「違法アップロード、本当に困ってた!」
「物申してくれてありがとう!」

と業界からの支持を得た。

バズの秘訣は、『モヤモヤを言語化』することちゃうか…?」

そう気付いたせやろがいおじさんは、続けて、助成金の不正流用で世間を賑わせていた、アマチュアボクシングの山根会長に対するモヤモヤを綴った動画を作成。

「反面教師として/優秀すぎィ〜〜〜!」

前回の動画と同じように、青い空、青い海、気持ちのいい物申しっぷり。しかし、思ったように再生回数は増えなかった。

「なんでや…。そうか、世間ではすでに『山根会長が悪い』という意見が一般的で、著名人からもすでにコメントされている。俺の動画は『今さら』なんや…」

ならば、まだ世の意見が固まっていないモヤモヤを取り上げよう。

野球において、試合中のガッツポーズが禁止されている理由をご存知だろうか。ガッツポーズは相手チームに対する侮辱、挑発行為にあたり、報復を招くなどの恐れが発生するためだ。

2018年、夏の甲子園では、高野連が金足農業高校の藤原選手に対して「侍ポーズ」を禁止したニュースが世間を賑わせていた。

ガッツポーズは相手への侮辱、それはわかる。でも侍ポーズはチームを鼓舞するための行為で、誰のことも侮辱していないはず。なのに禁止するのはなぜ?

そんなモヤモヤを言葉にしてみよう。動画を公開するタイミングは、甲子園で決勝戦をしている間がいい。観客はみんな、休憩中にSNSを見るはずだから———

決勝戦中に更新された動画

結果、動画はバズりにバズった。

「これや…グレーなモヤモヤに対して、ベストなタイミングでせやろがいを投下すればいいんや!

バズの方程式の完成である。


とはいえ、みんなが社会に物申したい訳ではないはず。わたしにフィットした共感の作り方とは…?「共感をつくる」までの道のりについては、菅本裕子さん(ゆうこす!)の書籍「SNSで夢を叶える」に詳しく紹介されているため、自分にフィットした共感の作り方の参考になるのではないかと思う。


その後、快進撃は続く。

バスケ男子日本代表の不祥事に対する動画では、日本代表ウェアのまま繁華街へ繰り出したことへのバッシングに対し、熱いせやろがいを送った。

「明けない夜はないんやで———!!」この動画では、朝焼けを撮影するため、朝5時の海岸に集合したそう。力強いメッセージの舞台裏、ドローン撮影担当の西口さんとの胸熱エピソードを伺った。(聞きながら泣いた)

りゅうちぇるのタトゥー問題への動画では、タトゥーを批判する前にお祝いがあるべきなのでは、というメッセージを発信。

動画はりゅうちぇる本人にも届き、SNSに感動の嵐を巻き起こした。

お笑い界の大御所に対して物申した動画では、「自殺」という重いテーマを扱う。

動画の裏側には、自らの経験と「松本さんの真意が曲解されたらいけない」という思いがあったという。

個別の紹介は割愛するが、ここにあげた動画以外にもクオリティの高い作品が揃っているので、ぜひYouTubeチャンネル「ワラしがみ」を訪問してみてほしい。

(音声を出すと圧力が高いので、静かな気分の時には無音で字幕を追うことをおすすめする)

政治、芸能人、LGBT——ネガティブコメントへの対応は

せやろがいおじさんの「物申す」は、ときにセンシティブな内容を題材にするが、「みんながモヤモヤしていること」を取り上げる動画の特性からか、視聴者数、高評価数に対する低評価の数は圧倒的に少ない。

とはいえ、ネガティブなコメントも無いわけではない。受け取った時にはどういう対応をしているのだろう。

一目でわかるまとめをどうぞ

「伝え方を考える」、考え続けた結果がせやろがい

「えもやん、変わっちまったな…」

圧倒的な支持を得るせやろがいおじさん。唯一の悩みは、バズで露出が一気に増えた一方、昔から応援してくれているファンの皆さんとの「乖離」が生まれているよう感じることだそう。

私は、先月せやろがいおじさんの存在を知ったばかりの「ザ・ご新規」なので、実際に変わっちまったかどうかは分からない。

だが、トークライブに散りばめられたエピソードから、培ってきたファンとの結びつき、応援のあたたかさ(動画バズ後、マイナー時代から10年間ずーーーっと応援してくれていたファンと東京で始めて対面したエピソードなど。売れてよかった。東京に行けてよかった…!)は感じることができた。笑いながら3回くらい泣いた。

来年は47都道府県へのツアーをはじめ、「せやろがいおじさん」だけでなく、沖縄のお笑い界を盛り上げるためのアクションを予定しているのだとか。

気持ちいい「せやろがい」の裏には、お笑いへの愛と、徹底した仮説検証が存在していた。それを支えてきたまわりの温かさも。

ライブが開催されたのは、2018年12月。沖縄では最高気温が20を上回る日が続くとはいえ、少しずつ冬の気配は濃く、吹く風は冷たくなっていく。

それでも、空と海は夏と同じように輝き、レンズ越しの沖縄は季節など知らないように見える。春までのせやろがいおじさんも、変わらず赤ふんどしで海に飛び込み続けるのだろうか。

せやろがいおじさんの挑戦と、渾身の「せやろがい」を、これからも心から応援したいと思う。


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https://twitter.com/emorikousuke/status/1073915549908795393?s=21

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